【まるわかり!】現代アートとは?歴史や楽しむコツなど体系的に解説

現代アートとは

現代アートってなんだか難しくてよくわからない…そう感じている方も多いのではないでしょうか。かくいう私もその一人です。

 

「…そんな奴が書いた記事読んでもしょうがない。」

って思いましたよね?

 

ここで軽く自己紹介をさせてください!

私は現在絶賛現代アート勉強中のえりーと申します。(早口言葉みたい…)

ひょんなことから今ご覧いただいているWebメディア「アートレジデンス」のサイト運営をさせていただくことになりまして、そのためにアートについて色々勉強しています。

これから作家さん自身がそれぞれの解釈でアートにまつわる記事を上げていく予定ですので、

  • アートが好きな人
  • アートは興味はあるけど難しいと思ってる人
  • アーティストになりたい人

みたいな方は、お楽しみいただけるんじゃないかなーと思います!

 

今回は、そんな私が現代アートの歴史から楽しみ方まで、アート初心者の目線から解説していきます!歴史や考え方などが分かると、現代アートの面白さがぐぐっと上がるはずです。

現代アートは日常に新しい視点をもたらし、心を豊かにしてくれます…くれるそうです…そう言われています。(書いてる今は不安ですが)

…というわけで!あなたも現代アートの世界に一歩踏み出してみませんか…!?

 

現代アートとは何か

まずは現代アートとは何か?について簡単にご紹介します。

現代アートとは、20世紀半ばから現在に至るまでの芸術を指す言葉で、伝統的な美術の枠を超えた多様な表現方法やテーマが特徴です。

絵画や彫刻のみならず、インスタレーション(空間全体を作品として体験させる芸術)やパフォーマンス、デジタルアートなど、技術の進化とともに新しい表現を取り入れています。

 

現代アートはとっつきにくいと感じられるかもしれませんが、その背景には社会問題や個人的な経験、文化的な問いかけなど、何かしらメッセージが込められています。そのため、作品を鑑賞する際には、見たまま感じることは大切ですが、それと同じくらい制作背景や歴史、作家について知ることも大切です

 

背景を知り、論理的にアートを理解することで、私は「なんかすごそうだけどよく分からない」から「なんとなく分かるかも」くらいになれました。

 

現代アートの歴史と多様なジャンル

上記でお伝えした通り、現代アートを楽しむ上で、これまでの歴史を知るのは大切です。ここでは現代アートの歴史と主要なジャンルを年代ごとにご紹介します!

ただの便器が作品としてすごく価値のあるものだったり、子供が描いたような絵に高額の値がついたり「なんで???」と思ったこと、ありませんか?

今までの歴史との差分が分かると「なぜこの作品は世界でこんなに評価されているのか?」疑問に思っていたことがなんとなくご理解いただけると思います。

 

1900年代初頭:モダニズムの誕生

現代アートの始まりは諸説ありますが、ここではモダニズム運動から紹介していきます。西洋では産業革命でさまざまな技術革新が起き、その中でカメラも発明されました。

今までの美術の価値観は写実性(リアルさ)が重要視されていましたが、カメラの登場により、これまでの古い価値観を捨てて、新しい表現を模索する動きが始まりました。

 

光や空気の移り変わりを表現した印象派。印象派に比べてもっと抽象的な心情表現を重視したポスト印象派。画家たちは元来の価値観であるリアリティよりも、色彩や形態を重視するようになりました。ピカソのキュビズムや、カンディンスキーの抽象画はその代表例です。これらの作品は、視覚的なリアリティを超えた新しいアートの可能性を追求しました

 

中でも現代アートの元祖と呼ばれる作品として、1917年に発表されたデュシャンの「泉」があります。これは普通の便器をそのままアートとして展示した作品です。この大胆なアイディアは「そもそもアートって何だろう?」という問いを私たちに投げかけてくれます。作品を通じて、アートにおける創造性や作家の意図がどれほど重要かを考えさせられます。そうした挑発的な視点で、現代アートの土台を作ったと高く評価されています。

 

今の時代を生きる私は、なんとなく「アート=自己表現、自由なもの」という認識を持っていましたが、この価値観の土台はここからだったんですね…!

 

1940年代〜1960年代:アバンギャルドと抽象表現主義

第二次世界大戦後、アメリカを中心に抽象表現主義が台頭しました。ジャクソン・ポロックやマーク・ロスコといったアーティストたちは、感情や内面的な表現を重視した作品を制作し、キャンバスを舞台に自由な表現を展開していきます。

この時期、アートは単なる視覚的な表現を超え、個々の感情や哲学を表現する手段として新たな価値を持つようになりました

 

1960年代〜1970年代:ポップアートとミニマリズム

1960年代に入ると、大衆文化や日常生活をテーマにしたポップアートが登場します。アンディ・ウォーホルやロイ・リキテンスタインは、広告や漫画などの要素を取り入れ、アートの枠を広げました。同時期には、ミニマリズムが流行し、シンプルな形と色を用いた作品が多く制作され、中でも、ドナルド・ジャッドやダン・フラヴィンの作品は、観る者に純粋な形と空間の美を感じさせました。

 

1980年代〜1990年代:コンセプチュアルアートとポストモダニズム

1980年代以降、アートはますます概念的なものへと変化します。コンセプチュアルアートは、アイデアやコンセプトそのものを作品とし、物質としての美術品から離れる傾向を強めました。ダミアン・ハーストやジェフ・クーンズの作品は、物議を醸し出すとともに、アートの新しい方向性を示しました。ポストモダニズムの影響も受け、多様な素材やメディアが用いられるようになり、アートの定義はますます曖昧になっていきます。

 

2000年代〜現在:多様化とグローバル化

21世紀に入り、現代アートは一層多様化し、グローバルな視点を持つようになりました。インターネットやデジタル技術の発展により、新しいメディアアートやインタラクティブアートが登場し、アートの体験はより個性的で参加型のものとなりました。世界中のアーティストが国境を越えて活動し、その地域性や文化を作品に取り入れることで、現代アートはますます豊かで多様なものになっています。

 

現代アートは、時代とともにこれまでの価値観に疑問を持ち、反発したり、問いを投げかけたり「新しい価値観」を世の中に表現し続けてきたんですね。

それでいうと、ファッションや音楽など、世の中のあらゆるものも、これまでの歴史があるからこそ「新しい」と認識できるのではないでしょうか。

だからこそ、歴史を知ることで面白さが見いだせる…!

 

次は代表的な作家とその作品についてご紹介します。

 

世界を魅了する現代アート作家たち

現代アートはその多様性と独創性によって、私たちの心を捉え続けています。ここでは、世界中で高く評価されている現代アート作家たちを紹介し、それぞれの代表作品について解説します。

 

ダミアン・ハースト

イギリス出身のダミアン・ハーストは、コンセプチュアルアートとインスタレーションで知られる作家です。彼の作品は、生と死、科学と宗教といったテーマを探求しています。代表作「ナチュラルヒストリー」シリーズは、巨大なガラスケースに収められた牛やサメの標本で、生命の儚さと死の不気味さを観る者に突きつけます。この作品は、現代アートがどのようにして観客に感情を喚起し、思考を促すかを示す傑作です。

 

草間彌生

日本を代表する現代アーティスト、草間彌生は、ポップアートやミニマリズム、そしてフェミニズムに影響を与えた人物です。彼女のトレードマークとも言える水玉模様は、無限を感じさせる魅力があります。代表作「かぼちゃ」シリーズは、彼女の作品の中でも特に有名で、鮮やかな色彩と独特の形状が特徴です。この作品は、観る者に無限の可能性と自己表現の自由を感じさせます。

 

ジェフ・クーンズ

アメリカのアーティスト、ジェフ・クーンズは、ポップカルチャーとキッチュを大胆に取り入れた作品で知られています。彼の代表作「バルーン・ドッグ」は、ステンレス鋼で作られた巨大な風船犬の彫刻で、そのエレガントな仕上がりと遊び心あるデザインが魅力です。この作品は、日常的なものを高級アートに変えるという、クーンズの独特のアプローチを体現しています。

 

アニッシュ・カプーア

イギリスの彫刻家アニッシュ・カプーアは、その壮大なスケールと視覚的錯覚を用いた作品で知られていおり、代表作「クラウド・ゲート」は、シカゴのミレニアム・パークにある巨大な豆の形をした彫刻で、多くの観光客を惹きつけています。この作品は、鏡面仕上げによる反射効果で周囲の景色を映し出し、観る者に新しい視点を提供しています。

 

現代アートをより楽しむためのヒント

現代アートは、一見すると難しい作品も多いかもしれませんが、楽しみ方にはいくつかのポイントがあります。ここでは、初心者でも現代アートをより楽しむためのヒントをご紹介します!

 

自由な発想で観る

現代アートは、伝統的な美術とは異なり、自由で多様な表現が特徴です。まずは「正解を探す」のではなく、自分自身が感じた印象や感情を大切にしましょう。その作品を見たときに何を感じるか、自分の言葉で考えてみることが大切です。

 

作品の背景を探る

作家の意図や制作背景を知ることで、作品への理解が深まり、より楽しめるようになります。展示会の解説やアーティストのインタビューを参考にし、その作品がどのような社会的・歴史的文脈の中で生まれたのかを学ぶと、新しい視点が得られるでしょう。

 

対話を楽しむ

アートはコミュニケーションの一部です。友人や家族と作品について話し合うことで、異なる視点を共有し、自分の考えを深めることができます。アート初心者でも、こうした対話を通じて、より豊かな鑑賞体験を楽しむことができるはずです。

また、少し鑑賞してみてやっぱり難しいな…と思ったら、無理に理解しようとせずに飛ばしてしまうのも個人的にはアリだと思います!そこから自分の好みが理解できるヒントになるかもしれません。

現代アートは自由で多様な楽しみ方ができるジャンルです。自分なりのペースで、さまざまな方法でアートに触れ、楽しんでみてください…!

 

現代アートが楽しめるスポット紹介

全国各地に現代アートを楽しむことができる魅力的なスポットが数多く存在します。それぞれが独自のコンセプトや展示スタイルを持ち、訪れる人々に新たな発見と感動を提供しています。ここでは、特におすすめのスポットをいくつか紹介します!

 

直島(香川県)

直島は、瀬戸内海に浮かぶ島であり、現代アートの聖地として世界中から注目されています。「直島=アートの島」と思われる人も多いのではないでしょうか。

ベネッセアートサイト直島として知られるこの場所には、地中美術館や安藤忠雄氏が設計したベネッセハウスミュージアムがあります。地中美術館は、その名の通り地中に埋められた構造が特徴で、クロード・モネやジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアといった巨匠たちの作品が展示されています。島全体がアートに包まれており、自然とアートの融合を体感できるのが魅力です。

私は直島の隣にある豊島美術館(母型)の空間が心地よくて特にお気に入りです。行かれた際はぜひぼーっと空間に身を委ねてみてください。サウナとはまた違った感覚でととのいます。笑

 

森美術館(東京都)

東京・六本木に位置する森美術館は、都心にありながら豊富な国際的現代アートを楽しむことができるスポットです。

特に、建物の52階に位置する展望台と併設されており、東京の景観を楽しみながらアート鑑賞が可能です。また、森美術館はアジアを中心とした新進気鋭のアーティストの作品を多く展示し、常に新鮮な視点を提供しています。期間限定の展覧会も多く、何度訪れても新しい発見があります。

 

越後妻有 大地の芸術祭(新潟県)

新潟県の越後妻有地域で3年に一度開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は、日本最大規模の国際芸術祭として知られています。

この芸術祭では、広大な地域に点在する棚田や山間の村々を舞台に、国内外のアーティストが手がけた作品が展示されます。地域のコミュニティとも深く結びついたイベントであり、地域活性化のモデルともなっているそうです。

ちょうど2024年の開催でしたが、残念ながら今年は終了してしまったそうなので、次回開催する際は観に行きたいです!

 

金沢21世紀美術館(石川県)

金沢21世紀美術館は、ガラス張りの円形建物が特徴的な美術館で、現代アートのユニークな展示が行われています。館内では、レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」など、多くのインタラクティブアートを楽しむことができます。訪れる人々が直接作品に触れたり、作品の一部として体験したりすることができるため、参加型のアートとして人気を集めています。また、金沢という伝統的な街の中で現代アートを楽しむことができるという点も魅力的ですよね。

今回ご紹介した以外にも、現代アートを体験できる場所はたくさんあります!

興味が湧いたらお近くの美術館やギャラリーのHPをのぞいてみてくださいね。

 

現代アートを深く知るためのおすすめ書籍

現代アートをより深く知りたいと思ったあなたに、ここでは、筆者のおすすめの書籍をいくつかご紹介します。

 

『現代アートとは何か』(著者: 小崎哲哉)

アートジャーナリズムの第一人者である小崎哲哉さんが、社会における現代アートについて多角的な視点から解説した一冊です。

 

『現代アート、超入門!』(著者: 藤田令伊)

年代ごとの有名作品を用いながら、現代アートの「わからない」が、「超入門」とタイトルにもある通り、丁寧に解説された一冊です。

 

『現代アーティスト事典 クーンズ、ハースト、村上隆まで 1980年代以降のアート入門』(著者: 美術手帖編集部)

1980年代から2000年代にかけて活躍したアーティストたちを紹介した本です。オールカラーなので、視覚的にも楽しく読めます。

 

『現代アートがよくわからないので楽しみ方を教えてください 9つの型で「なにこれ?」が「なるほど!」に変わる』(著者:鈴木 博文)

アート鑑賞の自分なりの楽しみ方が掴めるヒントがつまった一冊です。

鑑賞の視点を「9つの型」に分類し、解説しています。

 

まとめ

ここまでお付き合いいただいて本当にありがとうございます…!

私自身、現代アートについてまだまだ勉強中ですが、今回この記事を書いてみて、現代アートが自分にとって少し身近なものになりました!

皆さんにも少しでもそう感じてもらえていたらうれしいです。

 

次の休日に近くの美術館やギャラリーに足を運んで、現代アートという知的ゲームを楽しんでみてはいかがでしょうか。

きっと現代アートは日常に新しい視点をもたらし、心を豊かにしてくれるはずです!!

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